大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)744 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人斎藤竹松の上告趣意第一点について。

旧刑訴第四一〇条第一三号にいう「法律により公判において取調ぶべき証拠」と

は、例えば同法第三四二条所定の証拠のごとくその取調が裁判所の自由裁量に属せ

ず従つて法律上必ず公判において取調べなければならないような証拠の取調をいう

のであつて(昭和二三年(れ)第一〇一号同二三年七月一四日大法廷判決参照)所

論の「刄渡り六寸の出刄庖丁」は右にいわゆる法律により公判において取調ぶべき

証拠に該当しないこと明らかであるから、原審がこれについて証拠調べしなかつた

からといつて所論の違法はない。

同第二点について。

被告人が所論の出刄庖丁を使用して本件犯行に及んだとの判示事実は原判決引用

の被告人に対する司法警察官の聴取書並びに同上検事の聴取書その他の証拠により

これを明認できるのであるから論旨は理由がない。

同第三点について。

原審が所論の出刄庖丁を証拠調しなかつたことに何等違法のないこと既に論旨第

一点について説明したところであり、次に、原判決が被告人に対する検事聴取書を

採用したことを非難する点の論旨は原審の専権に属する証拠の証明力に対する判断

を攻撃するに帰するものであつて論旨は理由がない。

同第四点について。

論旨は結局量刑不当の主張であつて、適法な上告理由とならない。

同第五点について。

傷害罪については本件犯行後昭和二三年法律第二五一号罰金等臨時措置法によつ

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て法定刑の変更があつた(昭和二四年(れ)第二、六三七号同二五年三月三一日第

二小法廷判決参照)のであるから、原判決が刑法第六条第一〇条により新旧法を比

照したのは相当である。論旨は右罰金等臨時措置法の誤解に出づるものであつて理

由がない。

よつて刑訴施行法第二条旧刑訴法第四四六条に従い裁判官全員一致の意見により

主文のとおり判決する。

検察官田中己代治関与

昭和二五年一一月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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